
こんにちは!ロボマッスルです🦾
今回はRobocup Junior 2025大会で機体に搭載する回路を解説していきたいと思います。
1.IRセンサ基板(メイン基板)

IRセンサ基板には、機体全体の制御を行うメインマイコン(DSPIC33ep512mu810)、ボール検知用のIRセンサ(TSSP58038)、ジャイロセンサ(BNO055)、Blutooth通信用のマイコン(ESP32)、ゴールや相手機体検知用のカメラ(OPENMV)を搭載しています。
2.ラインセンサ基板

ラインセンサ基板には白線検知用の光センサ(フォトトランジスタNJL7502R)を搭載しています。
フォトトランジスタは、LEDから出た光が床に反射した光の強さを見ることで床の光の反射率(床の色)を見ることができます。
フォトトランジスタは光の強さをアナログ電圧で出力するのでアナログの電圧をデジタルに変換する必要があるのですが、マイコン等でA/D変換する手間を省くためコンパレーター(TJ393GD)を使用してデジタルに変換しマイコンで読み取っています。細かなしきい値の調節は可変抵抗を使用しています。
3.電源基板

電源基板は電源の3セルli-poバッテリーの11.1V電源からOPENMV用の5VやPICマイコン用の3.3Vに降圧する回路を搭載しています。
モーターとソレノイド駆動用の回路には11.1VとモータードライバのPWM入力用の5Vがあり、OPENMVやESP32、PICマイコンなどのあるロジック側電源は11.1Vの電源を絶縁DCDCコンバーターで5Vに降圧しPICマイコンの3.3Vはそこからさらにレギュレータを使用して降圧しています。
4.モータードライバ基板

モータードライバ基板はモータードライバIC(TB67H450)を使用しており、入力のPWM絶縁用のフォトカプラ(TLP2105)を搭載しモーター1つを回せる回路になっています。これをマザーボード基板に5つさすことで、四輪オムニタイヤを回す用の4つのモーターとドリブラーのモーター、計5つのモーターを制御できるようにしており、モータードライバが故障した際にはすぐに交換できるようになってます。
5.ソレノイド基板

ソレノイド基板はソレノイドを市販のXL6009昇圧DC-DCモジュールで昇圧した30Vの電圧で駆動する用のFETスイッチ回路を搭載しています。
30Vの電圧をスイッチングできるNchMOSFET(TK7RA10PLS4X)をマイコンからのIOポートの出力で駆動できるようにしており、MOSFETのゲートとマイコンのIOポートの間はフォトカプラ(TLP2105)で絶縁しています。ソレノイド基板には1000uF 50Vのキャパシタを3つ並列に乗せることで瞬間的に大電流を引き出せるようにし、昇圧DC-DCコンバータやバッテリーに負荷がかからないようにしています。
おわりに

最後までご覧いただきありがとうございます。
今年のチームロボマッスルの機体にはこれらの自作回路と市販のソレノイド用昇圧DC-DC回路が乗っております。
そのため、これらの回路でラインの検出ボールの追尾、ジャイロセンサーを使用し機体の今向いている方向の検知やOPENMVを使用して相手ゴールの方向の検知、ドリブラーでボールを保持しキッカーで相手ゴールにシュートする、さらにはESP32のBluetooth通信を使用し2つの機体で連携をとるなどができるようになっており、今後強い機体を作っていくうえで必要となるであろう回路を全て詰め込みました!
今回紹介した回路の基板はロボマッスル🦾のスポンサーであるJLCPCB様( 英語 , 日本語 )に提供していただいきました。JLCPCB様、大変ありがとうございます。
次回の記事もお楽しみに!